今週の10句(1月第三週)
終戦日口にざらつくかりん糖(戦争の嫌な思い出はいつまでもざらつく) 富澤秀雄 ゆめたがえかんのんさまや秋蛍(夢違観音は悪夢を善夢に変えるとか…) 一門彰子 庭手入れおえた夜も聞く虫の声(庭の手入れの後の虫の音は一際美しい […]
終戦日口にざらつくかりん糖(戦争の嫌な思い出はいつまでもざらつく) 富澤秀雄 ゆめたがえかんのんさまや秋蛍(夢違観音は悪夢を善夢に変えるとか…) 一門彰子 庭手入れおえた夜も聞く虫の声(庭の手入れの後の虫の音は一際美しい […]
令和7年1月14日に、卯月句会の初句会を西田邸で行った。 当日の兼題は「架空の生き物」だったので、ETや火星人やユニコーン、ネッシーなど 幻想的な生き物の他、顔無しや一反木綿やスパイダーマンなどアニメのキャラクターもあっ
花すすき風の呆けるデンデラ野(デンデラ野は遠野の姥捨の地。すすきも呆けるよな) 富澤秀雄 黙読の耳やわらかく草雲雀(黙して書に耽る折は耳をやわらかくして虫の音を) 一門彰子 青葉木菟と目の合ってより不眠症(梟とは目を合わ
金平糖噛めば銀河の音のして(金平糖を噛む音は銀河の瞬きに似ているような) 富澤秀雄 片言の俳句と言えど林檎真っ赤(俳句は十七音故のもどかしさを林檎の赤に喩) 一門彰子 明日あるをふといぶかりて秋桜(明日は必ず訪れるものを
楽艸句会の忘年会が12月17日の楽艸句会の後、ホテル阪急インターナショナル2階の 中華料理店「春蘭門」で、全員(11名)参加で恒例の忘年会を行った。 それぞれ好みの飲物を取って、一年の健康を祝って乾杯をして開催された。料
令和6年11月22日に開催された茨木市俳人協会主催の第11回秋の大会にて 図らずも茨木市長賞と朝妻力氏と谷ゆう子氏の選者特選賞も併せて受賞した。 受賞句 朝露のこぼれて町の動き出す 富澤秀雄
仏前のあらぬほう向く扇風機(扇風機に仏心はなく勝手気ままに) 富澤秀雄 林檎むく他言無用のしずかな刃(刃物を前に他言無用と言われれば抗えず) 一門彰子 筆跡で浮かぶあの顔秋深む(人それぞれの書き癖があり、それとわかる関係
咲き満ちて沸点となる曼珠沙華(曼珠沙華の開き切った時の凄まじさ) 富澤秀雄 やさしさの葉書いちまい秋の蝶(秋の蝶がひらりと舞い飛ぶ様は葉書めく) 一門彰子 十月の切手三枚貼り足して(淋しさは書く手紙に切手張り足すほど濃い
ビニール傘くらげ気分の雨中泳(雨がビニール傘を打てばクラゲの気分の歩) 富澤秀雄 梅雨に入る薔薇という字の厚ぼったさ(薔薇の字は本当に厚っぽく梅雨の鬱) 一門彰子 素揚げする新馬鈴薯の音と香と(ぱちぱちと弾ける音はいかに
自叙伝を書いてるつもりかたつむり(かたつむりの歩みは自叙伝のめく) 富澤秀雄 どくだみや癒やしの句座に連座して(句座はそれぞれの雰囲気を持つ) 一門彰子 孔雀サボテンだあれも来ない日曜日(折角の孔雀サボテンを見せられない