月の森俳句会

句集「あきる野」

句集「あきる野」を昨日(9月2日)に、送って頂いた。
この句集は、伊丹啓子さんの第三句集である。故伊丹三樹彦先生の長女であり、
句集のあとがきにも、第二句集以後、母の伊丹公子が2014年に死去、更に2019年には
父である三樹彦先生を亡くされたこと。夫の沖積舎主の難病の発症など、
大事が重なった事で、都会での仕事ばかりの暮しを振り返り、近頃は
山川草木の残る地に憧れるようになったと吐露されている。
そんな心境の変化や父母への思慕の句が多数見られる。

七十路なお 玉虫色に斑猫
向日葵めく深山蒲公英 あきる野に
父母なおも骨壺で添う 花菜冷え
父母逝きしのち わが余生 苔の花
赤シャツの父だが 家族の白一点
ゴミ収集車 母が作詞の市歌奏で