月の森俳句会

今週の10句(4月第3週)

方言で鳴け故郷のふくろうよ(故郷に居る時は、ふくろうも方言で鳴いて欲しい)

富澤秀雄

綿菓子の夕陽にそまる三島の忌(三島由紀夫の繊細で美しい文学のような表現)

一門彰子

老いるほど近づく幸よ蕪村の忌(蕪村の老境のような心境に浸って日々の幸を味わう)

磯田硯涯

焼芋を頬張る子らのはひふへほ(焼き芋を頬張る。熱いので思わずはひふへほの口に)

上西眞知子

壬生の鐘きけば開くよ花こぶし(壬生寺の鐘音をしみじみ耳を傾けると辛夷もまた)

江南富貴子

回転ドアくるりと春が立っていた(回転ドアの室内から室外への転換は春の転換へ)

大下絹子

冬うらら一人ランチの隠れ家店(隠れたミシュランの名店で一人ランチの優雅が時間)

岡田清子

しゃぼん玉ひとつ二つにちひろの絵(吹き上げた石鹸玉に写る情景はちひろの絵だと)

加藤隆子

素っ首をならべし徳利冬座敷(宴席に転がっている徳利の数は宴の盛り上がりを示す)

木原由美子

おねだりの猫をチラリと毛糸編む(餌をねだる猫を横目に毛糸を編む平和な日溜り)

小西清子