自叙伝を書いてるつもりかたつむり(かたつむりの歩みは自叙伝のめく)
富澤秀雄
どくだみや癒やしの句座に連座して(句座はそれぞれの雰囲気を持つ)
一門彰子
孔雀サボテンだあれも来ない日曜日(折角の孔雀サボテンを見せられない)
山口美野子
白南風や口開けて待つカーフェリー(カーフェリーが車を呑み込む様)
山﨑よしひろ
水中花言わずもがなを口にして(水中花と会話している作者の心情)
湯川千佳子
散るという力を秘めて白いばら(薔薇は散り際まで力を込めて美しい)
依岡フク子
駅までの私の道は薔薇の道(素敵なバラの道を私している作者の歩)
荒木ゆきこ
甘酒を飲み過ぎ酩酊四月馬鹿(ついつい甘酒だからと油断は大敵ですぞ)
磯田硯涯
断捨離のできぬアルバム新茶汲む(アルバムほど捨てられないものはない)
上西眞知子
毎日の遊びは長し黄揚羽(蝶も作者も長い一日に満喫するように…)
江南富貴子