月の森俳句会

今週の10句(11月第3週)

 

手品師の箱に隠れる秋の蝶( 隠れていた秋蝶は紙吹雪に変身…)

富澤秀雄

見返りの美人となりし秋の蛇(振り返る蛇の優美な変身)

一門彰子

保育所へどんぐり山の招待状(童話を読み聞かせているような…)

森川明美

名月を横切って行く白い杖(大きな月が無情に輝く)

山口美野子

電球のボォーッと灯る獺祭忌(ボォーツと灯る裸電球が子規を思う)

山﨑よしひろ

カラッカラの大気を削る蝉時雨(地球も蝉も環境破壊に警告)

湯川千佳子

窓辺から風のおはよう部屋さやか(爽やかな朝は、風を運んでくる)

依岡フク子

籐椅子にへこみ身の上話終ったら(籐椅子をへこませるほどの話は?)

荒木ゆきこ

飛鳥野に大きな落書き鬼やんま(まほろばのロマンを描く鬼やんま)

磯田硯涯