落葉踏む地球が丸いという不思議(地球が丸いと言われているが果たして?)
富澤秀雄
三角の底辺が好きおでん好き(おでんには様々な形の具材あり楽しい)
一門彰子
鷹舞ふや空から空を過去として(鷹の勇壮な飛翔は時空を超えている…)
樋口由美
風少し窓辺に二羽の秋の蝶(淋しさを慰めるかのように蝶が飛来)
古池明子
両手両脚温度差ならす寒の入り(加齢と共に手足の温度感覚が鈍る)
政野すず子
赤蕪の出来を誉め合う貸農園(なんと美味しそうな赤蕪でしょうか)
三船多美子
そっぽ向く歯ブラシ二本花柊(夫婦喧嘩の後の歯ブラシもちょっと不機嫌)
森川明美
ぷるぷるの煮凝りつつく父の箸(鯛の荒炊きの後の煮凝りを突く父の背に)
山口美野子
小鳥来る少女の手話の綺羅きらと(少女の手話に呼応し小鳥たちも会話)
山﨑よしひろ
恋の猫お前らいっぺんしばいたる(恋猫の声に思わず出た一声は愉快)
寺田伸一