月の森俳句会

今週の10句(6月第3週)

鬼やらい終えた神社の鬼ごっこ(節分を終えた神社に小鬼たちが遊ぶ)

富澤秀雄

かげひなたなき手のひらに雛霰(純粋な子どもの可愛い掌に雛あられ)

一門彰子

もう少し寝かせて日曜蟬時雨(日曜だから寝かせてよと蝉に言ってみたが)

古池明子

体重減るこの身のおもさ青葉光(加齢と共に減った体重なのに重い…)

政野すず子

メール受く誤字や脱字よ万愚節(メールの打ち間違いの思わず笑うことも)

三船多美子

時々は小芝居もして春炬燵(夫婦ならではの阿吽の呼吸で意を察する)

森川明美

春光や部屋の四隅を拭き掃除(余り掃除しない部屋の四隅を掃除する早春)

山口美野子

地球儀の海に糸張る春の蜘蛛(まるで蜘蛛が地球を捕まえようとする…)

山﨑よしひろ

花過ぎて旅は月日の句読点(芭蕉の奥の細道の旅出のような語らい)

湯川千佳子

春日差お手玉上手の転校生(転校生の心の陰影をお手玉を介して)

依岡フク子