月の森俳句会

今週の10句(6月第1週)

過疎の村絮たんぽぽの大移住(村の人口の減少はやがて野草の村に)

富澤秀雄

竹の秋やさしく枯れてゆく人と(春のはらはら落ちる竹の葉に思いを寄せた)

一門彰子

月おぼろ中途半端に返事して(月もおぼろなら返事もおぼろ春だから…)

荒木ゆきこ

梅見する足取り軽し白寿の師(作者も元気、その師も元気な健脚ぶり)

磯田硯涯

鳩を追う幼子見守るつくしんぼ(よちよち歩きの幼子を見守るつくしんぼ)

上西眞知子

酒樽のあっけらかんと花の昼(ずらりと並んだ空っぽの酒樽はあっけらかん)

江南富貴子

水ぬるむ亀の親子の立泳ぎ(春ののんびりとした親子亀のユーモラスな動き)

大下絹子

もう少し気ままな暮らし猫柳(気ままな暮しを雪柳に託してみたが…)

岡田清子

身ほとりの些少の罪を雪ばんば(人はみなささやかな罪を気付かず犯している)

加藤隆子

バックパックにラム酒と夕陽春岬(武骨な男の自転車旅。何を求めての旅)

木原由美子