千年を受け継ぐ京の桜守(京都の桜の名木は桜守が歴史と共に受け継ぐ)
富澤秀雄
千代紙に鶴折る蝶折る春の雨(春の雨の情感を千代紙の鶴や蝶が織り成す)
一門彰子
初音遠しそれより遠し天の声(天国にいる夫の在りし日の声を聞きたいと)
圡田桂子
銀河まで蛸の近道春の虹(蛸をファンタスティックとユーモアで描いて)
寺田伸一
霜柱ざくざくラデッキー行進曲(霜柱を踏む時のラデッキー行進曲)
名村幸子
飛鳥路の歴史を照らす桜かな(飛鳥の道辺の桜の古木が悠久の歴史を語る)
西 幸子
半跏思惟像の背中平らか春の夢(半跏思惟像の背面は平らかだと言う発見)
西田美智子
ブロッコリーころがっている拡声器(本当にブロッコリーが拡声器の見える)
延原ユキエ
解散も開花も少し遅れそう(桜の開花は年により遅速がある解散のまた)
橋本昭一
藪からし四五本も抜き大くしゃみ(厄介な藪からし抜いて大嚏とは愉快)
原 尚子