月の森俳句会

今週の10句(8月第1週)

穴を出た蛇と母の追伸長すぎる(母の心配事は尽きなくて)
富澤秀雄
夜桜や紅絹につつみし般若面(どこか怪しい雰囲気)
一門彰子
更地から空地に戻り苜蓿(昔の空地に苜蓿がびっしり)
橋本昭一
箱抜け出すグリコランナー夏来る(道頓堀から夏が来る)
西田美智子
アネモネや誰も笑わず似顔絵展(何故?と不思議な似顔絵)
延原ユキエ
あれは白南風あなたの声が聞きたくて(耳に残ってる声いつまでも若い)
原尚子
戦争は馬鹿だと思う大西瓜(人間は何故戦争をするのでしょう)
日比光子
もう少し寝かせて日曜蝉時雨(朝の蝉はことさら煩い)
古池明子
輪唱のはじまり窓の緑立つ(心地よい緑風が歌い出す)
政野すず子
指先の馬酔木ショリショリ浄瑠璃寺(びっしりと花を付けた馬酔木)
三船多美子