紫陽花の海に溺れて流民めく(紫陽花の青は流民の青)
富澤秀雄
愛あれば無口もいいね冷奴(肯定する事も愛)
一門彰子
紛らわしい略字略号七変化(ほんとに良く変わる)
橋本昭一
アスファルトの波打つ地球旱星(地球の危機?)
森川明美
ジャスミンの真っ赤な嘘が咲きました(嘘も色々あって)
山口美野子
蚊柱ふわり風は律儀なふりをして(風はいつものように)
山﨑よしひろ
青嵐足らぬ覚悟に足すワイン(迷いと覚悟にワイン)
湯川千佳子
日が昇る島の五月の水平線(キラキラ光る水平線)
依岡フク子
茄子焼いて一日家に立て籠る(なんと大仰な)
荒木ゆきこ
短夜や北斗傾け山談義(山好きが宇宙を語る)
磯田硯涯