月の森俳句会

今週の10句(9月第1週)

活き活きと空をくすぐる大噴水(活きよく空に吹き上げる噴水)
富澤秀雄
今生の二進も三進も(にっちもさっちも)かたつむり(かたつむりの歩みに自らの生き様を重ねて)
一門彰子
白藤の香り吸いたる鬼瓦(鬼瓦もきっと白藤の香気を嗅ぎたかったであろう)
上西眞知子
長命の話坦坦わらび餅(昨今は百歳を超える方が増えた柔軟な蕨餅のごと)
江南富貴子
子供の日の子供はみんな予定あり(近頃の子どもは塾や習い事で忙しい…)
大下絹子
寄り添って囁きかわす白紫陽花(紫陽花園に寄り添う紫陽花の囁きを聞く)
岡田清子
鎮魂の祈りよ届けはなみずき(相次ぐ地震・台風の死傷者に鎮魂の祈る花水木)
加藤隆子
園児らを率いてランウェイ天道虫(天虫のサンバに載ってランウェイ…)
木原由美子
新樹光わらいじょうごの風ぬけて(新樹の光がどこか笑い上戸のような)
小西清子
佇まい良き家消えて夏の草(名家が取り壊され、夏草が覆うわびしさ)
小林弘子