月の森俳句会

今週の10句(9月第1週)

夏野原突き指ほどの恋をして(青春の1ページの思いで)
富澤秀雄
老いらくの意固地の無口レモネード(老人とは、かくあるものか?)
一門彰子
紛らわしい略字略号七変化(俳句は複雑さを自在に楽しむ)
橋本昭一
やめてよね脱ぎっ放しは蛇の衣(取り合わせの妙。ユーモアたっぷり)
西原千津子
沈黙の肩幅にこそ蝉時雨(少年の悩みを癒すのは蝉時雨)
山口砂代里
ずっといたの玄関で待つこがね虫(口語俳句を存分に活かす)
岸上紀子
衣替え圧縮袋の大欠伸(エスプリに富んだ句)
岡谷康子
寂しさと西瓜の種とモーツァルト(並列俳句の読みの多用さと良さ)
田辺三耶子
午前様へ妻の寡黙と水中花(水中花に化身したくもなります)
上西眞知子
立話聞くたび太る梅雨茸(梅雨茸の傍で立ち話は危険?)
江南富貴子