月の森俳句会

今週の十句(四月第一週)

切株は考える椅子月の森 富澤秀雄 
 切株に座って瞑想する姿か

俳誌あり春あけぼのの「月の森」 一門彰子
 月の森の創刊に対する思い

国道を疾風の如超えゆりかもめ 橋本昭一
 ゆりかもめの素早さ

日向ぼこ言葉の森をさまよって 西原千津子
 温かく日差し中、俳句を考える

水仙を遠回りして青年は 山口砂代里
 青春期の憂鬱な心情

水温むもうこだわりは捨てたらし 岸上紀子
 月日の流れがこだわりを解いた

絵の具溶く樹間の冬日混ぜながら 岡谷康子
 絵筆に光を溶き混ぜる感覚

今日もまた冬木の瘤を見て歩く 田辺三耶子
 何かにこだわりの様な冬木の瘤

マスク着用まず寒紅引きましょう 政野すず子
 如何なることも女心を忘れない

凍て道を杖こつこつと我が家の灯 原尚子
 我が家の温もりを目指して杖を運ぶ